国内メディア掲載(記載日順)2011年〜2012年
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◎平成25年1月13日
日本テレビ『シューイチ』
◎平成24年12月12日
(株)フレーベル館 出版事業部
◎平成24年10月10日~11日
フジテレビ『めざましテレビ』
◎平成23年11月25日
日本テレビ『PON!』
平成25年1月13日 日本テレビ『シューイチ』
平成24年12月12日 (株)フレーベル館 出版事業部
(株)フレーベル館 出版事業部より、保育ナビ『園の旅 この園のココがすごい!』のコーナーの取材を受けました。その内容が12月号に掲載されました。
平成24年10月10日~11日 フジテレビ『めざましテレビ』
平成23年11月25日 日本テレビ『PON!』
メディア掲載(記載日順)2012年
SAMURAI JAPON 2012
フランスの新聞社
L’EST(2012年11月6日付)
http://www.estrepublicain.fr
メディア掲載(記載日順)2009年
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■私学新聞 8月3日記載
■読売新聞 8月6日記載
■いちかわよみうり 8月22日記載
■朝日新聞 9月2日記載
■朝日新聞 9月5日記載
■いちかわ新聞 10月23日記載
■読売新聞 11月5日記載
全私学新聞
全私学新聞 2009年8月3日記載
《全文記載》
山崎和男 いなほ幼稚園園長の "手作り木と竹のおもちゃ展" 開催
9月1日から9月6日まで 東京・銀座清月堂画廊
おもちゃ二十年以上にわたって手作りでおもちゃを作り続けてきたいなほ幼稚園(千葉県市川市)の山崎和男園長のおもちゃ展が銀座清月堂画廊で9月1日(火)より9月6日(日)まで開かれると聞き、手作りのきっかけやおもちゃ作りの話を伺った。
現在230点以上あるおもちゃを作り始めたきっかけは生活習慣の変化や便利な生活の中、昔であれば日常生活の中で培われてきた手の感覚、時には体全体の感覚が未発達な子どもが多くなったと園長が感じたことにある。
山崎園長は「蛇口をひねる、ぞうきんを絞るといったとき、手は様々なことを感じて力を加減します。思いっきり力をいれてしまうと逆に蛇口をひねることも、ぞうきんを絞ることもできません。幼稚園の時にこの感覚はぜひ身につけてほしい」と語る。
この感覚を養い、幼稚園用として集団で遊ぶ、また大きさや強度などを考慮したおもちゃはなかったため自ら作りはじめたそうだ。また、おもちゃは「おもしろそう」と自発的に手にとってもらえるものでないとなかなか遊んでもらえない。遊んで楽しいと「また遊びたい」と積極性が生まれ、よりこの感覚が育つが、楽しくないとそのままになってしまう。園長は「よりよいおもちゃ」を求めて世界各国のおもちゃを調べるとともに、可動部の精度を上げるため同じ種類の木でも産地を変えるなどの様々な工夫をしてきたそうだ。
さらに園長は「日本は国土の60%以上が森林で、面積比率では世界第二位です。身近にある材料として、また日本は木の文化の国という考えのもとに、おもちゃも木で作ってきました。最近はエコロジーという考えから再生が早い竹を使ったおもちゃも作っています」と語る。
山崎園長の手作りおもちゃは、いま様々な広がりを見せており、画廊での個展のほか、11月にはフランス・パリでの展示会が控えており、陶器と組み合わされたおもちゃは、触感玩具として重度障がい者就労の場を提供している社会福祉法人「埼玉福祉会」から販売されている。
読売新聞
読売新聞(千葉版) 2009年8月6日記載
《全文記載》
園児のための木のおもちゃ
国分在住で「いなほ幼稚園」園長の山崎和男さんは、園児たちと工作遊びを楽しみながら、木のおもちゃ作りに取り組んでいます。
もともと手先が器用だった山崎さんは、園長となって子どもたちと接するうちに、幼児期こそ自然素材のぬくもりや質感などを感じて、遊びを楽しんでもらおうと、おもちゃ作りを始めたという。
園児の遊びの中からおもちゃ作りのヒントを得ることも多く、思いついたことをその場でメモをするノートを、いつも身の回りに置いている。
幼児教育を長年たずさわる中、子どもたちの手先の経験不足が気になるといい、遊びながら釘うちやノコギリ引きの動きを学べるおもちゃを作った。園児たちは、卒園までには自分たちで実際に釘やノコギリを使用して、作品を作れるようになるという。
28年間制作した木のおもちゃは230点を超え、中には特許を取った作品も。
4年に1度のおもちゃの個展(銀座 清月堂画廊)を9月に控え、11月にフランスで開かれる日仏文化交流事業「SAMURAI JAPON2009」への出店も決まり、忙しい日々を過ごしている。問い合わせは いなほ幼稚園(047-373-22001)http://inaho.ed.jp (堀秋菜)
朝日新聞
朝日新聞(千葉/首都圏版) 2009年9月2日記載
《全文記載》
園長先生の手作りおもちゃ
ひねる、折る、たたく、切る‐様々な手先の動きを子どもたちが楽しめる木や竹製の手作りおもちゃの展示会が1日から、東京・銀座で始まった。
市販品に満足できなかった幼稚園の園長先生が、約30年間で230種類を作り出した。11月には、フランスにも渡って紹介される予定だ。
作ったのは、市川市国分3丁目のいなほ幼稚園の山崎和男園長(63)。父親の幼稚園を継ぎ、子どもたちに与えたいおもちゃが、国産ではほとんど市販されていないことに驚いた。木工で自分の子どもに作ったのをきっかけに園でも遊べるものを作り始めた。子どもと遊んでいると、幾つもヒントがあるという。子どもたちが練習したがるノコギリ」や「包丁」「くぎ打ち」「運針」なども、木製のおもちゃになった。思い切り力を入れて使っても、自動的に元に戻り、何度でも繰り返せる仕掛けを工夫した。家具用の材木を使い、なめても安全な無垢仕上げ。10年以上使える丈夫さも自慢だ。
4年前から、増えすぎて困っていると聞いた竹も使い始めた。十分乾燥させると、心配だった「ささくれ」は出来ず、軽くて水にも砂にも強いので、砂場用のおもちゃに最適だとわかった。出来たおもちゃも、子どもたちに遊ぱせて改良と工夫を重ねる。
「幼児期に色んな感覚を身につけさせたい。自分の体で覚えたことが、大人まで持っていける宝物になる」と山崎園長は言う。木の感触は心が安らぎ、手の感覚の訓練にもなるので、高齢者向けの作品も手がけている。
フランスでの展示は11月初旬。3月に日本のテレビ局の取材を受けたことがきっかけとなって、日仏の文化交流イベントに出品することになった。「機能的な日本らしいおもちゃが、どう受け止められるか、楽しみです」
一部の作品については、埼玉県の福祉団体に作り方を伝授したが、「新作アイデアがたくさんあり、旧作を作る時間がない」ため、製造・販売はしていない。
都内の展示会は6日まで。午前11時〜午後7時(最終日は午後5時)、東京・銀座5丁目の「清月堂画廊」。無料。問い合わせは同幼稚園(047−373−2201) (鶴見知子)
朝日新聞
朝日新聞(東京版)9月5日記載
《全文記載》
木や竹で手作り手の動き豊かに
ひねる、折る、たたく、切るII。様々な手先の動きを子どもたちが楽しめる木や竹製の手作りおもちゃの展示会が銀座で聞かれている。市販品に満足できなかった幼稚園の園長先生が、約30年間で230種類を作り出した。11月には、フランスにも渡って紹介される予定だ。
作ったのは、千葉県市川市のいなほ幼稚園の山崎和男園長(63)。父親の幼稚園を継ぎ、子どもたちに与えたいおもちゃが、国産ではほとんど市販されていないことに驚いた。木工で自分の子どもに作ったのをきっかけに園でも遊べるものを作り始めた。
子どもと遊んでいると、いくつもヒントがあるという。子どもたちが練習したがるノコギリ」や「包丁」「くぎ打ち」なども、木製のおもちゃになった。思い切り力を入れて使っても、自動的に元に戻り、何度でも繰り返せる仕掛けを工夫した。家具用の材木を使い、なめても安全な無垢仕上げ。10年以上使える丈夫さも自慢だ。
4年前から、増えすぎて困っていると聞いた竹も使い始めた。十分乾燥させると、心配だった「ささくれ」は出来ず、軽くて水にも砂にも強いので、砂場用のおもちゃに最適だとわかった。出来たおもちゃも、子どもたちに遊ばせて改良と工夫を重ねる。「幼児期に色んな感覚を身につけさせたい。自分の体で覚えたことが、大人まで持っていける宝物になる」と山崎園長は言う。木の感触は心が安らぎ、手の感覚の訓練にもなるので、高齢者向けの作品も手がけている。
一部の作品については、埼玉県の福祉団体に作り方を伝授したが、「新作アイデアがたくさんあり、旧作を作る時間がない」ため、製造・販売はしていない。
展示会は6日まで。中央区銀座5丁目の「清月堂画廊」で午前11時〜午後7時(最終日は午後5時)。無料。
問い合わせは同幼稚園(047−373−2201)へ (鶴見知子)
いちかわ新聞
いちかわ新聞 10月23日記載
《全文記載》
いなほ幼稚園(国分)の園長・山崎和男さんは、「幼児期のおもちゃの重要性」を強く感じ、30年前から木・陶器・竹を使った独自のおもちゃを作り続けている。その数はなんと230種類。9月に開催した6度目の個展を大盛況のうちに終え11月には海を越えフランスヘ。初の海外出展を果たす。
遊び方にひと工夫!"日本発”木製玩具
「SAMURAI JAPON(サムライジャポン)2009」(11月7.8日)は、日本の音楽、文化、芸能を通して「日本の心」「日本の美」を伝えていこうとフランス(パリ・ロワール)で2004年から開催されている日仏文化交流イベント。玩具の出展は今回が初めてだ。
「木のおもちゃといえば、ヨーロッパというイメージが強いけれど、日本だって森林は多いし材質も良いので、アイデア次第で独自のおもちゃが作れると思います。幼児期のおもちゃには社会性、想(創)像力はもちろん、”感覚”を養うという重要な役割があるので、回す、挟む、ねじる、握る、切る、叩く…といった日常の感党を体感できるようなおもちゃを作っています。”回す”にしてもひねるように回すのか、円を描いて回すのか、何種類もの”回す”があることも感覚として知ってもらうことが狙いです」
そもそも出展が決まった経緯は、あるテレビ局が園児たちの歌を収録するために開園を訪れた際、たまたま木のおもちゃを目にしたことがはじまり。単純でありながらぢ少々コツを有し、手先の感覚を刺激して遊ぶ。海外にはない斬新な発想の日本製玩具が「フランスの子どもたちにどう受け止めてもらえるのか、楽しみ」と話す。
アイデアがひらめいたら、納得するまで作ってみる!
園長の仕事のかたわら、230種類もの作品はどのようにして生まれたのか。「アイデアは睡眠中や園児と遊んでいるときに突然ひらめくので、3ヵ所にメモが置いてあります。そして夏休みなどまとまった休みに缶詰状態で作ります。形にしないままだと落ち着かなくて(笑)」。副園長として傍で支える奥様も「作り始めたら最後、帰ってきません。子どもみたいでしょ」と笑う。感覚一つひとつをリアルに再現すべく、構造や仕組みを徹底的に研究・微調整を繰り返すこだわりが、多くのおもちゃを生み出した。
高齢者のリハビリにも最適。活用の幅は広がる
九月の個展には、高齢者福祉関連、幼児向け団体、環境保護団体から、「孫のために作ってあげたい」という団塊世代まで多岐に渡って来場した。手先の感覚を刺激するという点で「高齢者用リハビリ玩具」としての活用を願う声も多く、すでに高齢者仕様に改良も始めている。また「森林や竹薮を処分せずに有効活用したい」という環境団体も山崎さんのおもちゃにアイデアを求めてやってきた。
「発想を少し変えれば生きてくるものも多い。素材の性質がよく分かればおもちゃにどう生かせるかも分かるし、地域の資源を有効活用しておもちゃ作りが盛んになれば村興しだって可能です」今後は幼稚園のおもちゃ作りを柱に、活用の幅も広げていく予定だ。
読売新聞
読売新聞(京葉版)11月5日記載
《全文記載》
木のおもちゃ 本場欧州へ
市川市国分の「いなほ幼稚園」園長、山崎和男さん(64)は7、8日、手作りの木製玩具約40点を引っ提げて、フランスで開催される日仏文化交流事業「サムライ ジャポン」に参加する。木製玩具の本場欧州で日本製への期待度は低いというが、山崎さんは「独創的な作品ばかり。本場をアツと驚かしたい」と意欲をみせる。
日仏交流事業に40点
木製玩具を作り始めたのは約30年前。長男にクレーン車を作ったところ、いつまでも遊び続けた。その姿を見て「木製玩具は細かな手の動きを養う」と確信。
早速、園児用にとアイデアを絞った。幼児教育は「本で知識を得て、おもちゃで感党を育てる」と考えていた。車などをただ木製にするのでは、感党は育だない。握る、ひねる、たたく、押す。手の動きを鍛えられるよう、工夫を重ねた。木杭を打つと、別の木杭が現れる「終わりのないハンマー」、ロープと滑車を組み合わせた「手こぎ車」、木製のはさみ、縫い針、包丁、斧…。木バネの仕掛けのある木板は折れることも、割れることもない。これまで、六つの特許を取ったという。
制作歴30年、山崎さん精巧自信作ぞろい
1988年以降、2〜4年に1回、東京・銀座で6回の個展を開いてきた。そんな析、特色豊かな作品が、日本の伝統芸能、文化をフランスで紹介する「サムライ シャボン」事務局の目に留まった。今春、出展の依頼を受けた。
山崎さんによると、木製玩具の大半は輸入品で、国内生産は民芸品が多い。フランス、ドイツ、北欧などは制作が特に盛んで、出展リストを見た現地の反応は「日本製玩具と言えばゲーム機では」と、冷ややかという。
これまでの制作数は230点以上。今回持ち込むのは自信作ばかりで、日本色を出すため、土俵下に木バネを埋めた「とんとん相撲」や、たたくだけの「連続ダルマ落とし」などもある。公開は7日に地方都市、8日にパリで行う。
山崎さんは「匠の技、とまではいかないが、外国製に比べ、精巧なうえ強度がある。子どもが夢中になるのは、園児たちで実証済み。フランスの子どもたちばかりか、大人も喜ぶはず」と話している。
メディア掲載(記載日順)2005年〜2008年
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《その他掲載媒体》
■千葉日報 8月21日記載
■朝日新聞(東京マリオン) 8月26日記載
■ニューファミリーけいよう 8月26日記載
■市川よみうり 9月17.24日記載
■いちかわFM ドキドキリポート 10月5日放送分
■小学館『幼稚園』12月号 11/1発売
■テレビ市川放映(キャッチTVにて)
11月19日~11/25日(1日4回放映)
※幼稚園ホームページにて放映中 →こちらからどうぞ
TV放映(こちらは左メニュー "過去のおもちゃ展フォトアルバム"よりご覧下さい)
■平成19年2月28日 NHK-TV『ゆうどきネットワーク』
■平成19年5月18日 NHK-TV『首都圏ネットワーク』
全私学新聞
全私学新聞 8月3日記載(幼稚園特集号)
《全文記載》
山崎和男氏(千葉県市川市、いなほ幼稚園園長)の「木と陶器のおもちゃ展」が8月30日(火)から9月4日(日)まで、銀座「清月堂画廊」(東京都中央区銀座5-9-15)で開かれる。それに先立ち山崎園長におもちゃに対する考えなどを伺った。
■幼児期の発達にかかわる感覚・運動機能に■
人間の大きな特徴の一つに手で道具・物をつくり出す能力があります。これには幼児期の手の感覚・運動機能の発達が大きく関わるのですが、ねじる、回す、切るといった手の感覚を発達させるという目的にそった既成のおもちゃはなかなかありません。トレーニング機器ではなくおもちゃというところが難しいのです。そこで園での活動のように大勢で使うための耐久性や素材を考えて手づくりを始め、二十数年にわたり製作を続けたおもちゃは170種類以上になりました。おもちゃで遊ぶことだけでなく園では実際の物づくり、陶芸や木工などに取り組みます。卒園児の中には芸術家や工業デザイナーも出て、『自分たちの原点は幼稚園での物づくり体験です』と聞くと、つくり続けてよかったと思います。今回の個展は、長年つくり続けてきて、子どもたちに喜んでもらえることは分かりましたが、一般の方にうけいれてもらえるのか?もっと良いおもちゃづくりの方法があるのでは、と考えて開くことにしました。いろんな方と意見を交換して世界中の子どもたちに喜んでもらえるような世界一のおもちゃをつくるのが現在の夢です」と笑顔で語った。
実際に出展される木のおもちゃをみると写実的に、本物志向でつくられている。手の感覚発達を促すために板ばね、木のスプリングなどで抵抗をつけ、よりリアルな動きをするように工夫されている。一つ一つの部品によりて本の種類をかえるなど耐久性を考えた結果大きく重くなっている。また同じ本の種類でも産地を変えるなど様々な工夫が試行錯誤の結果なされているので壊れにくく、自作なので万一壊れても修理は簡単だ。出展される陶器のおもちゃは本の枠にはめ込むパズル、螺旋、三角の形を木のペンでなぞる形あそび、文字をなぞる文字あそびなど十作品。ただなぞるだけでなく、方向によっては抵抗がかかる工夫や、木枠にはめ込むパズルはピースの色が何種類か用意されており、同じ色で統一したり、ピースごとに色をかえることができるようになっている。また形あそびでは、木のペンに陶器の芯を入れたものがあり、なぞる抵抗感がより鉛筆に近い。
■おもちゃは遊んで楽しい驚かされる子供の創造性■
おもちゃづくりについて園長は、「おもちゃは遊んで楽しいということがまず初めにあります。子ども向けだからこの程度ということはありません。大人でも楽しめるものを作らないと子供は見向きもしないのです。手の感覚の発達という目的と遊んで楽しいを両立させるにはかなり苦労します。考えている時間の方が製作時間より長いのが実際なのです。完成したおもちゃは大人は見ただけでは遊び方が分からないのですが、不思議なことに子どもは違います。自分が想像しなかったような遊び方も見つけてくれるのがまうれしいのですが、本当に子ども創造性には驚かされます。手の感覚の発達を促すという目的にそった遊び方も覚えて欲しいので一回は自分で遊んでみせますが…」と笑いながら語る。
今回のおもちゃ展では170種類の内から45点出展され、残りの主立ったものは写真での展示となる。
日本経済新聞
日本経済新聞 2005年8月19日 文化面掲載
《全文記載》
私は千葉県市川市で163人を預かる幼稚園の園長だ。23年前に園児のおもちゃを手作りするようになってから、寝ても覚めても頭の中はおもちゃでいっぱい。もっと子供たちが喜ぶおもちゃはないか、感性に響くアイデアはないか?枕元には夢の中での思いつきを書き留めるノートとペン。夏休みは制作に費やすので家族旅行をしたことがない。気が付けば百七十点以上の創作おもちゃに囲まれていた。
■体験の機会補うために■
長男が二歳のころ、木で作った素朴なクレーン車が第一号だった。二男の出産で妻が入院している間、留守番の私と長男は近所の江戸川の公園でよく過ごした。川べりの工事現場で働くクレーン車やショベルカーに男の子は夢中になる。それならと作り始めたところ、すっかり自分がはまってしまった。といっても、今ではクレーン車のような普通の玩具はほとんど作っていない。初めて見る人は「これのどこがおもちゃなの」「どうやって遊ぶの」と首をひねる。例えば園内のヒット作、通称「パンパン」は台に固定した半円形のアーチに、ドーナツ状のブロックを通したもの。アーチの根元にある左右の板を手で勢いよくたたくことで、ブロックを右へ左へと移動させて遊ぶ。カタツムリの背中に似た渦巻き状のおもちゃは、手で持って回すと木のピンが外から中心へ、また中心から外へと戻ってくる。それぞれ「たたく」「回す」という動作、感覚を体験してもらうために考案したものだ。幼児期は生きていく上で必要な感覚を体で覚え、感性を養う大切な時期。にもかかわらず、今の子供には圧倒的に体験の機会が足りない。それを補うおもちゃを作るのが私の使命だと思っている。
■単純な仕掛けではダメ■
新しいアイデアは園児からもらう。最近の子供はぞうきんを絞ることができない。そこで考えたのが「ねじる」おもちゃ。四角い箱の左右につきだした棒を力いっぱいねじって回す。ピンー本で、年少用・年長用と負荷を変えられるのがみそだ。「折る」のも現代っ子が苦手な動作の一つ。枝を拾っても友達と半分にすることができない。二本の棒を継いで、継ぎ目で折れるおもちゃを思いついたが、それだけでは意味がない。ぽきんという感触、音まで再現しなければと、一週間ほど悩んで工夫を凝らした。しかし、苦労して作ったからといって園児にうけるとは限らない。子供の目は厳しい。仕掛けが単純なものはすぐ飽きられる。同じ動作を何度も繰り返すことができなければいけない。どうやら形になると、まず一緒に園内で働いている妻や長男を呼ぶが、身内もシビアだ。「折る」おもちゃを「どうだ、音も出るんだぞ」と実演して見せると「ふうん」「それで?」。麺棒を細くしたような物体をただ折るだけだから、我ながら無理もないとは思ったが。
■頑丈な家具用木材使う■
おもちゃはすべて木製だ。金属のバネやくぎは最小限しか使わない。着色もしない。梅雨時ともなれば、湿気でうまく動かなくなるおもちゃもあるが、木とはそういうものだよと教えている。カツラ、キリ、ケヤキ、ナラ、ブナと用途によって用いる木は様々。子供が乗ったり踏んだりしても壊れない頑丈な木となると建材用ではだめで、家具用の木材を選んでいる。父が幼稚園を創業したころからのつきあいという木場の材木屋さんと、私のおもちゃ哲学に賛同してくれる福島県の製材所の方が心強い味方で、いい出物があると安く譲ってもらう。工房は園内にある。園児にものこぎりや金づちを持たせて、船やコマなど木工のおもちゃを一緒に作ってきた。陶芸の窯も併設していて、湯飲みや植木鉢といった実用品を焼くこともある。そうして作った物は必ず使う。船は水に浮かべ、植木鉢には種をまいて花を育てる。道具を工夫して使う動物は人間以外にもいるが、自分が作った道具でさらにビルや宇宙船のように大きなものを創造できるのは人間だけだ。その素晴らしい力を忘れないで欲しい。
今月30日から9月4日まで、銀座の画廊で個展を開く。ようやく東京で見せるだけの質・量になったと自信がついたし、大人がおもちゃを真剣に考える機会を作りたいとも思った。旧作に加えて新作を出す。ただ今、最後の追い込みの真っ最中だ。(やまさき・かずお=いなほ幼稚園園長)
東京新聞
東京新聞『サンデークラフト』12月4日記載
《全文記載》
■遊びながら体感できる■
ギィーコ、ギィーコとノコギリで切る。「えいやっ!」。とばかり、オノでバーンと割る。ジョッキ、ジョッキと大きなハサミを動かす。「″切る″たたく″曲げる″折る″などの感覚を子どもたちに感じてもらうためのおもちゃです」と話す山崎和男さんは、幼稚園の園長だ。
園児たちが遊びながら基本動作を体感できる木のおもちゃを二十数年前から作り続けてきた。その数、約180種類。
第一の作品はクレーン車だった。「長男が建設用の大型車両が好きだったもので。まだ木工用の機械を持っていなかったから、まさに全部手づくりでした」そのころ園長に就任したばかりの山崎さんは、あることに気付いた。「ないんですよ。幼稚園向けの教育用おもちゃが。これはと思うのは、ドイツやスイス製のものばかり。値段も高くて」それなら自分で作ってみよう、と覚悟を決めて取りかかり、ユニークな作品を次々と完成させた。
″切る″をキーワードにした「はさみ練習機」や「包丁切り」は、木製のはさみや包丁を使って遊びの中で切る感覚がつかめる。例えば、はさみ。紙になぞらえた二枚の板の真ん中に.はさみを入れると、ズンズンと切り進める感触が楽しめる。それは、独自に考案した木製バネの力を利用した。「ぞうきん絞り機」は、ねじる動作を学ぶもの。木箱の左右に突き出た棒を力いっぱいにねじって回す。年齢に合わせてねじりの固さも調節できる。「子どもたちに人気のあるクギ打ち練習機やハンマーたたきは、思いっきりたたいても耐えられるように作ってあります。子どもは大人が考えられないような遊び方をしますが、それにこたえられるような丈夫さと安全面に気を使っています」
作品のアイデアは寝ても覚めても考えている。枕元にはノートを置いて、何かひらめくとパッと起きてメモ書きをする。そのアイデアをスケッチに描いて二、三パターンの試作品を作り完成品に仕上げる。この間、足掛け六日間くらい。「園児たちが砂場で遊んでいる姿を見て思いつくこともある。子どもと常に接しているから、こんなおもちゃができるのかもしれません」
山崎さんは名入れ用の焼き印を持っている。ただし、作品に押したことはない。「まだ納得のいくおもちゃはできてないんです完璧なものが出来上がれば押すつもりですが」今、スケッチだけして制作に取りかかっていないものが20点ほどあるそうだ。近々に、この中から焼き印を押す作品が出てくるに違いない
【文:西川栄明・写真:丹波六十一】
月刊『致知』
(株)致知出版社 月刊『致知』2006年3月号
《全文記載》
【為すことによって学ぶ 山崎和男】
私が園長を務めるいなほ幼稚園には、たくさんの手づくりのおもちゃを収納した一室がある。切る、折る、刺す、曲げる、捻る、回す、割る…いずれも育ち盛りの園児たちに、様々な感覚を遊びながら身につけてもらおうと、自ら工夫を凝らして創作してきたおもちゃである。
幼稚園に通う年頃の子どもは、「感覚時代」ともいわれ、日々の様々な体験を通じて人間としての基礎となる感覚を身につけていく大事な時期である。この時期に、できるだけ様々な刺激を与えることで、豊かな感性が身についていくのである。
私の子ども時代には、野山を駆け回って遊ぶ中でいろんな感覚を身につけてきた。「為すことによって学ぶ」ということがごく自然になされていた幸せな時代であった。ところが、何事につけ便利な世の中になり、自然と接する機会も少なくなったいまの子どもたちには、それが容易ではなくなってきた。せめて日々手にするおもちゃによって、それを袖うことができればと思うが、残念ながらその願いを満たしてくれるものがほとんど存在しない。そこで自ら工具を手に、いまも試行錯誤を重ねているのである。
初めておもちゃをつくったのは23年前であった。私は当時二歳だった長男を連れてよく江戸川の河川敷へ遊びに行った。長男は、そこで行われていた工事の現場で活躍するトラックやクレーンなどの作業車が好きで、行くたびにいつまでも飽きずに眺めていた。そこで、親しい大工さんから譲り受けた廃材を使って、手づくりのクレーン車をつくってみたのである。
もともと機械いじりが好きで、大学時代に伯父の営む修理工場でアルバイトをしたことはあったが、木工細工はまったく初めて。熟練したいまからすれば稚拙な代物ではあったが、長男はことのほか喜んでくれ、毎晩枕元に置いて寝るほどの気に入りようであった。その息子の姿を見て、ぜひとも園児たちにも喜んでもらいたいと考え、本格的におもちやづくりに取り組むようになったのである。
園の運営で多忙な平日は、思いついたアイデアをノートに書きため、園児のいない夏休みに集中して製作する。材料は木材を中心に、最近は園に備えた自家製の窯で焼いた陶器も活用するようになった。子どもたちには自然の素材に親しんでもらいたいため、プラスチックや金属など人工的なものは用いない。2.3日かけて試作をして、ものになりそうなら正規のものをつくる。一つ完成すればすぐ次にとりかかり、異なるおもちゃをひと夏に十体近くはつくる。この積み重ねで、二百種類近くに及ぶおもちゃをつくってきた。いずれもこの世に二つとない私のオリジナルである。
数年前から地元市川で展示会を開くようになり、昨年は銀座で個展を開き、約二千人もの方に見ていただいた。こうした機会を通じて、子どもの感覚を養うおもちゃの必要性を一人でも多くの方に認識していただきたい。そして、技術立国であるわが国から、おもちゃ製作に情熱を傾ける人材がもっともっと出てきてほしいという切なる思いがある。
私の園ではこのほかにも、科学に興味を持つきっかけづくりにと、電気部品を利用して科学遊びを楽しめる部屋や自家製のフラネタリウム、トラクターを改造してつくった16人乗りの機関車、田植えや芋掘りを体験できる田畑、さらには自らつくった茶室まである。私は、園の中に社会の様々な要素を盛り込み、その中で園児たちに楽しみながら様々な体験をしてもらいたい。為すことによって学んでもらいたいのである。
少子化で子どもの数が激減する昨今、バスによる送迎や給食、長時間保育、さらには英語、漢字、パソコンなどの早期教育を謳い文句に、園児の獲得に躍起になっている幼稚園が増えている。こうした試みは、確かに忙しい母親にとって便利なサービスかもしれない。しかしながら、肝心の園児の育成にはあまり関係がなく、かえって害になるようなものばかりである。バスや給食は、親子揃っての通園やお弁当づくりを通じての大切な
親子のコミュニケーションの機会を奪ってしまう。また早期教育も、子どもの受け入れ状態が整った上で行わなければあまり効果は期待できないし、無理強いすればその教科が嫌いになる恐れもある。
子どもにはレディネスといい、心身ともに学習を受け入れる状況が整う時期というものがある。子を持つ親であれば、うちの子は最近妙に文字に興味を持ってきた、泳ぎに興味を持ってきた、などと感じる時があるはずである。その時を逃さず与えたものは、吸収もよく、その子の思わぬ才能を発見することにも繋がるのである。
人間には、成長段階に応じて為すべきことがある。幼稚園の子どもたちにとってそれは、よく遊ぶことに尽きる。遊びを通じて親子が交わり、友達とつき合い、自然に親しみ、人間としての基礎をしっかりと身につけていく。まさに為すことによって学ぶ時期なのである。幼稚園運営を優先するあまり、そうした良識が失われていくことを私は憂うのである。
二度と戻ってこない大切な時期を生きる子どもたちに、できうるだけのことをしてあげたい。その思いで、私はこれからもおもちゃをつくり続けていきたい。
(やまざき・かずお=いなほ幼稚園園長)
読売新聞
読売新聞 2006年3月12日記載 地域(千葉)アングルより
《全文記載》
【"暮らしの感覚"養う 園長の手作りおもちゃ】
「ぞうきんを絞る、くぎを打つ、包丁で切る。そんな暮らしの感触を木のおもちゃで覚えさせたい」。市川市国分の「いなほ幼稚園」の山崎和男園長(60)が作った木のおもちゃは100点以上に上る。 同園2階の「おもちゃのヘや」で、園児たちは、木のおもちゃに夢中だ。木づちを振り下ろしたり、ハンドルを回したり。ペンで文字板をなぞると、ガリガリという音がする。
23年前、江戸川へ遊びに行った際、2歳だった長男が土木工事の重機を見詰めていた。「それなら」とクレーン車を木で造った。飽きることなく遊ぶ姿を見て、「木のおもちゃは子どもの遊び心を育てる」と確信した。仕組み、構造に知恵を絞り、ひらめきを忘れないように枕元にメモ帳、筆記用具を置く。今のこどもはぞうきんを絞れないと知ると、木箱の左右にレバーを付け、にぎったり、絞ったりできるようにした。包丁やのこぎりを切れ目に入れると、すぱっと切断でき、元に戻る。
昨年8月、東京・銀座で「おもちゃ展」を開いた。「製品化させてほしい」とメーカーや福祉作業所から依頼が舞い込んだ。「日本の輸出といえばゲーム機。木のおもちゃもぜひ」と、アイデアを海外にも普及させるのが山崎さんの夢だ。 (写真と文 川本晴夫)
園長監修『触感玩具』
社会福祉法人:埼玉福祉会製作・園長監修『触感玩具』ご案内
社会福祉法人 埼玉福祉会製作、園長監修による「触感玩具」が販売されました。
詳細・注文につきましては、埼玉福祉会にお問い合わせください。
※この商品につきましての管理・責任(製造物責任)は埼玉福祉会が行っております。
商品についての、いかなる問い合わせ等は幼稚園ではできかねますのでご遠慮ください。
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月刊いちかわ
月刊いちかわ11月号 笑顔の玉手箱より
《全文記載》
市川市国分の閑静な住宅地にある「いなほ幼稚園」。園の一室に、所狭しと並んだおもちゃ達。どれも白木にこだわった逸品ばかり。子どもたちのために、おもちゃを作り続けて24年、その数は200種にも及んでいます。
「幼児期は、見て触って体験することで、人間としての土台づくりをしているのです。おもちゃは、その一環を担う大切な役割をしています。叩く・回す・折る・刺す・ねじるなどの感覚をおもちゃ遊びの中から取り入れ、楽しみながら自然と身につくよう工夫を凝らしているんです」
おもちゃ作りのヒントは、子どもたちと遊ぶことだそうです。肌身離さず持っているノートは、園長の宝物。
情熱いっぱい詰まったアイデア帳に、次はどんなおもちゃが描かれているのでしょうか。
Ciao いちかわ(こどもアート教室)
財団法人市川市文化財団主催『こどもアート教室』Ciaoいちかわ
【全文掲載】●「木工遊び」25日inいなほ幼稚園
園児の木工製作にも力を入れている、いなほ幼稚園園長の山崎和男さんに、道具の使い方から作り上げるまでの工程を教えてもらった。
事前に構想を練ってきた子どもたちは、まずは木材を選び、先生に電動糸鋸で思い通りの形に切ってもらうと、次にパーツをどう配置し、どう組み立てるか、完成形を思い描きながら立体的に形にする作業へと移る。
最初は戸惑っていた子どもも、慣れてくると大工さながらにかなづちや釘抜きを使いこなし、2時間で「おもちゃ箱」「風車」「あやつり人形」などの大作を完成させた。
姉弟で参加した(名称削除)は、スイングチェアと自分が座る大きな椅子を作成。「子どもには道具を使いたいというあこがれがあり、道具を使って何かを創りあげる想像(創造)力は成長期にはとても大切なんですよね」と山崎さん。